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新画像補間:Real Zoom Technologyの紹介

99. 02.10
(株)市川ソフトラボラトリー
開 発 部
1.概要

 弊社開発部において、新しい画像補間技術が完成いたしました。
 今後の画像処理の分野、特に拡大プリント等に関しては大いに役立つと思われますので、その内容について以下ご紹介致します。
 なお、今後更に改良を加えるべく開発を続けておりますので、一部の方式、仕様等は変わる可能性があ りますのでご了承願います。

2.ISL(Ichikawa Soft Laboratory)の Real Zoom Technologyについて

 Real Zoom Technologyは、高品位の拡大を行う補間Filter技術です。
 画像拡大を行う際に大切なのは画像補間で、この技術の良否が拡大した画像の品位を決定することになります。
 Real Zoom Technologyは、従来の技術と比較して、より高品位の画像拡大を行うことが出来るようになりました。
 Real Zoom Technologyは、光学的な拡大と等価の拡大画像を作成することを目的としています。

[主な特徴]
  1. 継ぎ目のない滑らかな拡大
  2. 従来の補間Filterの問題点であった画像のボケの低減
  3. 拡大率を変えても画像品位が変わらない高拡大率対応
  4. 実用的な処理スピード

[主な用途]
  1. 高品位印刷
  2. 高拡大率での印刷

3.技術説明

 これらの特徴を、従来の技術と比較しながら説明します。
 従来の拡大Algorithmとして、現状他社の拡大Algorithmを例にとってみると、以下の3つのAlgorithmがあります。
 拡大というのは、技術的には原画像構成点の間に、新たな点を作成するのと等価です。この新たに作成される点を補間点と呼びます。

■ニアレストネーバー法

 補間点から最も近くにある画像構成点の色をそのまま補間点の色とする方法で、最も単純な拡大Algorithmです。
 原画像の1点1点が、正方形のタイルとなって敷き詰められたように画像が拡大されます。
 この方法の利点は、高速な処理が可能であることと、画像のコントラストが失われないことです。
 欠点はモザイクがかかったように見え、滑らかな画像が得られない点です。画像品位としては低いのですが、高速な処理が要求される場合や、拡大した画像を遠くから見る場合や動画の場合など、低品位でも実用上問題がない場合には有効な拡大Algorithmです。

■バイリニア法

 比較的高品位な拡大Algorithmです。
 補間点の周囲にある4画像構成点の色の加重平均値を補間点の色とします。
 この方法の利点は、比較的滑らかな拡大画像が得られることと、比較的高速に処理できることです。欠点は若干のBlock Noiseがのることと、拡大画像がややボケることです。
 2〜3倍程度の低倍率の拡大を行う場合には、これらの欠点は顕著には表れないので実用上問題はありません。拡大率が高くなると滑らかな拡大画像を得ることは難しく、特に斜めの線が縞線状になる現象が目に見えて現れます。

■バイキュービック法

 高品位拡大Algorithmで、かなり滑らかな拡大画像を得ることができます。
 補間点の周囲にある4x4=16画像構成点をキュービックスプライン法により補間した結果を、補間点の色とします。
 4x4=16画像構成点のみ参照して補間するために、参照画像構成点が変化する単位でごくわずかなBlock Noiseが生じます。

上記の拡大Algorithmと比較して、先に述べたReal Zoom Technology の特徴の説明をします。

■ISL Real Zoom Technology

1.継ぎ目のない滑らかな拡大
 従来の拡大Algorithmでは補間点の周囲にある画像構成点が変化する単位でNoiseが乗り、滑らかな拡大画像を得ることができませんでしたが、Real Zoom Technologyは拡大後の全ての画像構成点が滑らかに変移しますので継ぎ目のない滑らかな画像を得ることができます。

2.従来の補間Filterの問題点であった画像のボケの低減
 従来の拡大Algorithmでは補間点の色は基本的に周囲にある画像構成点の加重平均値として演算されています。この方法では、補間点の色は周囲にある画像構成点の中間値となり、ボケたような拡大画像になってしまう欠点がありました。
 Real Zoom Technologyは、このボケを極力排除していかに光学的拡大に近づけるかを目的としたもので、ボケの低減された高品位な拡大画像を提供します。

3.拡大率を変えても画像品位が変わらない高拡大率対応
 Real Zoom Technologyは画像構成点の間を滑らかな曲線で補間します。
 この演算は、原画像の画像構成点で決定され、拡大率には依存しません。拡大率を変えるということは、この補間曲面上の補間点の数が変化するだけであり、つまりどんなに拡大しても画像品位が変わらない高品位な拡大画像を提供します。

4.実用的な処理スピード
 Real Zoom Technologyは、原理的にはISLバイリニア法と比較して実に数万倍の演算量となります。
 しかしながら、数学的な処理を高速に近似処理することにより、他社のバイリニア法やバイキュービック法と同程度の処理速度で、画像処理を行うことができます。
 ISLバイリニア法はかなり高速に画像処理することができるので、これと比較するとReal Timeな画像処理とはいえませんが、画像の印刷やFileへの保存など周辺機器への画像出力の補間Filterとしては、十分な処理速度を実現できました。




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