レンズ収差補正は、現像時にレンズの収差を補正することで、より高品位な画像を生成するための機能です。
デジタルカメラの解像度が向上した今日では、その収差が絵に大きな悪影響を及ぼす場合があります。
SILKYPIX JPEG Photographyではシェーディング(周辺光量)補正、ディストーション補正、倍率色収差補正、の3つの補正があります。
シェーディング補正は、画像の周辺で絵が暗くなる周辺光量低下というレンズの特性を補正する機能です。
中心部の露出を変えることなく周辺部の光量を補うことが可能です。
周辺光量の低下もレンズの味のひとつですので、完全に補正せず周辺光量の低下を若干残しておきたい場合
などの為に、補正の適用量を加減する事も可能です。
また、マイナスの値を設定すると、逆に周辺光量低下を強めることができます。わざと周辺部分を暗くして
中心部分を目立たせたい場合や、背景を整理したい場合に使用します。
倍率色収差補正は、画像周辺のエッジ部分に色づきが現れる倍率色収差というレンズの特性を補正する機能です。
倍率色収差は、レンズに入射した赤い光が結像する倍率と、緑の光が結像する倍率、青い光が結像する倍率がそれぞれ異なるために発生する現象です。
Rの結像倍率と、Bの結像倍率を微小に変化させることで、倍率色収差補正を行います。
また「倍率色収差補正ツール」では、色収差の気になるエッジを囲むようにドラッグすることで、
その部分の色づきを打ち消すような倍率色収差パラメータが自動で設定されます。
大きくプリントしたいときやシャープネスを強くかけ倍率色収差が目立った場合など特に有効です。
ディストーション補正は、まっすぐな線が歪んで曲がる歪曲収差というレンズの特性を補正する機能です。
糸巻き型や樽型などはもちろんのこと、「中央部重視」、「周辺部重視」の2つを設定していただくことで
陣笠タイプと言われる複雑な歪曲収差特性を持つレンズであっても歪曲収差の補正もしくは緩和が可能です。