
光源色探知によるオートホワイトバランス調整 |
概要
白いものを探し、そこを白く見せようとする。それが一般的
現在一般的に多く利用されているオートホワイトバランスの原理は、ごく簡単に言うと写真データの中から「白と思われる部分を検出し、そこが白くなるように補正を行う」事が行われています。白を検出する事でどれ位色かぶりを起こしているのかを導きだす方式です。
しかし、この方式ですと様々な問題が生じてきます。
- 白や無彩色が存在しない場合に色温度を特定できない。
- 微妙に色の付いた白っぽい被写体(薄いピンクや緑など)と色かぶりを判別しにくい。
- 色温度検出時に被写体の「色」に影響を受けやすく、誤作動を起こす確率が高い。
以上のような理由によって適切なホワイトバランスを得にくいケースが存在しています。
SILKYPIXオートホワイトバランスの特長
特定方向散乱光(鏡面反射光)だけを抽出
物体の表面からは「乱反射光」だけでなく、特定方向散乱光、いわゆる「鏡面反射光」と呼ばれるものが検出されます。この「鏡面反射光」は物体の色に依存することなく光源の色をそのまま反射する性質を持っています。すなわち、この「鏡面反射光」の色こそが光源の色となるのです。
物体表面の光っている部分からは、鏡面反射光と乱反射光の両方が検出され、光っていない部分からは乱反射光のみが検出されます。これらを減算する事で鏡面反射光のみを取り出します。
鏡面反射光は、物体の色に関係なく光源の色をそのまま反射する性質があるため、これはすなわち光源色となります。そしてカメラのイメージセンサーが記録したデータの中からこの「乱反射光」と「鏡面反射光」を分離し、その「鏡面反射光」の成分から検出した光源の情報を基にホワイトバランスを的確に決定できるのがSILKYPIXのオートホワイトバランスなのです。

- 白や無彩色が無い被写体でも色温度を特定する事ができる。
- 被写体の色に依存することなく色温度を特定する事ができる。
- アルゴリズムが単純なため、安定した色温度評価結果を得ることができる。
SILKYPIXオートホワイトバランスには以上のような利点があります。もちろん、一般的なオートホワイトバランスの仕組みと組み合わせることでさらに性能が向上する可能性を秘めています。
ご提案例
- デジタルカメラやビデオカメラ、監視カメラへの搭載
- 画像処理ソフトへの搭載
デジタルカメラで撮影されたRAWデータからそのときの光源色(色温度)を正確に検出し、より正確なホワイトバランス補正を実現します。
本技術は、平成23年度全国発明表彰「21世紀発明奨励賞」並びに、平成24年度文部科学大臣表彰を受賞しました。(特許第4447520)