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レンズ収差補正レンズ収差補正は、現像時にレンズの収差を補正することで、より高品位な画像を生成するための機能です。写真レンズは収差が存在し、デジタルカメラの解像度が向上した今日では、その収差が絵に大きな悪影響を及ぼす場合もあります。 レンズ収差には、球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差、軸上色収差、倍率色収差や、 周辺に行くほど光量が低下する周辺光量低下があります。 SILKYPIX® Developer Studio 2.0では、これらの収差に対し、 の3つの補正があります。図1.レンズ収差補正 シェーディング(周辺光量)補正シェーディング補正は、画像の周辺で絵が暗くなる周辺光量低下というレンズの特性を補正する機能です。 SILKYPIX® Developer Studio 2.0では、2つのパラメータを使用してシェーディング補正を行います。[ダイアログ(図1)の操作方法]
周辺光量低下の詳細について像が歪んで結像される場合には、被写体が小さく歪められるほど明るくなります。例えば、魚眼レンズは、周辺にいくほど被写体を小さく歪めることで周辺の光量の低下を防いでいます。 また、レンズによっては、斜めから見るとレンズの口径が見かけ上減少する場合があり(ビグネッティング)、実際の画角の理論特性よりも周辺でより多くの光量低下を引き起こす場合があります。 絞り値によっても周辺光量の落ち込みが変化します。開放では大きく落ち込み、絞ると落ち込みが少なくなるという現象です。 さらに、デジタルカメラではイメージセンサーへの斜入射によっても周辺光量低下が発生します。 このため、画角はあくまでも参考値です。 バランス良く補正される点を探してください。 この場合、画角パラメータを小さくすると補正量も小さくなり中心と周辺の補正がリニアになり、大きくすると補正量が大きくなり周辺に行くほどさらに補正量が大きくなると覚えておくと便利です。 補正結果を見て、周辺以外はだいたい良く補正されているのに、画像の隅の方だけ暗くなるような場合には、画角パラメータを大きくして、周辺での補正がより強くなるように調整します。 この逆の場合には、小さくします。 ディストーション補正ディストーション補正は、まっすぐな線が歪んで曲がる歪曲収差というレンズの特性を補正する機能です。 まず、この補正を使う場合には、「有効」と書かれたチェックボックスをチェックしてください。[ダイアログ(図1)の操作方法]
ディストーション補正によって、はみ出た領域は自動的にトリミングされ、 元の画像サイズと同じサイズになるような拡大が行われます。 トリミング機能の「拡張」機能を使用することで、ディストーション補正に よってはみ出た画素や、RAW に記録されていて、通常では切り取られてしまう画素も 含めて全ての画素を取り出すことができます。>トリミングの拡張へ ディストーション補正機能は、レンズの歪曲収差を補正する目的で開発されましたが、 遠近感を誇張したり、逆に歪曲を強めることによって、広角レンズ周辺の放射状に 像が流れる現象を緩和するなど様々な使い方が可能です。 行われる補正は、フォトレタッチソフトなどにある単なる変形機能とは異なり、 実際の写真レンズの設計を参考に、レンズで発生する収差特性をシミュレートしています。 次の例は、逆に歪曲をより強めるように変形した例です。補正前の画像(図5-1)は、歪曲収差に よりシャボン玉や人の顔が歪んでいますが、より歪曲を強く歪める方向に補正をかける事で、 その歪みを見た目として自然な形へ変形させました(図5-2) 歪曲を自由にコントロールできるレンズを手に入れた気分になって、 いろいろなパラメータの組み合わせをお楽しみください。 きっと、新しい表現が見つかることと思います。 倍率色収差補正倍率色収差補正は、画像周辺のエッジ部分に色づきが現れる倍率色収差というレンズの特性を補正する機能です。
倍率色収差は、レンズに入射した赤い光が結像する倍率と、緑の光が結像する倍率、青い光が結像する倍率がそれぞれ異なるために発生する現象です。
補正作業を行う際は、図6-2、図6-3のように周辺部を拡大表示して結果を確認しながら
パラメータを調整してください。
2つのパラメータが両方とも最適になったときに、色づきが最も少なくなります。 調整のポイントは、色づきを少なくするという観点ではなく、エッジの色づきを均一にさせるという観点で調整を行ってください。
その後、[NR]タブの偽色抑制スライダーを上げていくと、残留した色づきが消えていきます。気にならない程度まで上げたら、補正は完了です。 この際、偽色抑制を最大まで上げても消えない色づきが残る場合には、倍率色収差が大きすぎて補正範囲を超えているか、あるいは、倍率色収差以外の収差によって発生している色づきの可能性があります。 背景が飛んでいるような明るさの場合には、コマ収差による色づきの可能性があります。 SILKYPIX® Developer Studio 2.0では、倍率色収差以外のレンズ収差よる色づきは、今のところ補正できません。 [400%以上に拡大する理由と、補正に適するエッジの選び方について] も一緒にお読みになってください。
400%以上に拡大する理由と、補正に適するエッジの選び方についてプレビューを400%以上の倍率にすると、簡易的な現像が行われなくなり、プレビュー更新のちらつきがなくなって、見やすくなります。 倍率色収差補正では、エッジの色づきを観察しながらパラメータを追い込むため、プレビュー倍率を400%以上にしてください。 パラメータ変更に対するプレビューへの反映が遅く使いづらい場合には、さらにプレビュー倍率を上げるか、ウインドウを小さくしてプレビュー更新される部分のサイズを小さくすると快適に操作できます。また、補正の際に拡大表示する絵のエッジ部分は、もちろん気になるところを選択するのが望ましいのですが、その中でも以下に挙げるような点に留意して選択してください。
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