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12.1 逆光無補正撮影
もちろん、最適な露出補正量を撮影時に決定できるなら、それに越したことはありません。 でも、そうでない場合もあります。逆光だけどシャッターチャンス! RAW での撮影なら、シャッターチャンスを優先してください。その瞬間はもう2度と来ないのですから。 RAWなら露出補正は、撮影後でもできるのです。 センサーサイズが大きく、S/N の高い、懐の深いカメラなら、逆光は気にしない「逆光無補正撮影」も可能です。 それよりもシャッターチャンスを優先して、撮影枚数を稼ぐ。そんな従来の撮影では考えられなかった撮影が可能になるのです。 デジタル一眼レフのセンサーサイズは大きく、懐の深いカメラが多いですから、ISO 感度の設定を最低にして、逆光なんか気にしない撮影をしてみませんか? そして、SILKYPIX® で露出補正を楽しんでみては...
RAW であっても、イメージセンサーのリニアリティが確保されるギリギリめいっぱいの露光を与えて撮影するのが最も理想です。 アンダーに撮れば、それだけノイズが増加し、絵が荒れるからです。 ところが、そうは行かないケースがあります。 @ 被写体に強い光線が当たってたり、金属の被写体など、コントラストが高い場合 A 正確な露出を決定できない場合
アンダーで撮っておけば、現像時に調整可能ですが、飛ばしてしまったらアウトです。 その他の理由として色再現の低下を緩和できるということもあります。興味のある方は、超ハイテクニック編(---> 13.2 イメージセンサーのリニアリティとサチュレート) をご参照ください。
絞り開放なのに、シャッター速度が足りない、手持ちの撮影では厳しい。 ISO感度を上げる場合、きっとこんな状況なのではないでしょうか。 でも、どのカメラも ISO 感度の変更は結構めんどくさいですね。 それに引き換え、露出補正はどのカメラでも簡単に操作できます。 そこで、ISO感度を上げずに露出補正ダイヤルをアンダー側に調整して、シャッター速度や絞りをかせいでしまう。 これが RAW 撮影でのみ許されるテクニックです。 そう、RAW 撮影では現像時増感が可能で、それはカメラで ISO 感度を高めたのとほぼ同等の結果、いやシーンによってはそれよりも良い結果をもたらすからです。 参考:11.3 カメラでの ISO 感度調整と、現像時の露出補正の違いと応用 そう、RAW 記録に設定した時から、露出補正ダイヤルは、ISO感度ダイヤルに化けるのです。
このカメラは、暗い領域で色がずれるがそれが好き、とかハイライトの飛ぶ寸前での色が好きとか、そういう好みの問題を除外してしまうことにします。 そうすると、写真としてディティールが失われてはいけない部分のうち最も明るい部分を、イメージセンサーのリニアリティが確保される最大値に感光させる露出と言えます。 すこし難しい言い回しになってしまったので、簡単に言い直せば、飛んではいけない部分をRAWデータ上で飛ばさない最大の光量を与える。 ということになります。 この露出では、イメージセンサーのダイナミックレンジを使いきれるため、ノイズの少ない清潔な映像が得られます。 さらに興味のある方はイメージセンサーのリニアリティとサチュレートをご参照ください。 このような露出での撮影は、露出計の示す適正露出とは少し違ってきます。 露出計の露出は、被写体の平均反射率を仮定して露出を決定しています。しかし、RAW での撮影は、現像段階での調整が可能ですから、ギリギリ飛ばない最大の露出が最もいい訳です。 しかしながら、その露出を決定するのは困難です。 一番いいのは、実際に撮影して、カメラのハイライト警告プレビューモードを利用して確認し、飛ばしてはいけない領域が飛んでない最大の露出を与えられるまで追い込むことです。 それでも、ハイライト警告プレビューの結果は、JPEG に記録される場合を表示していますから、カメラによってはさらに多くの露出を与えて良い場合もあります。 ここまでくると、超ハイテクニックですのでイメージセンサーのリニアリティとサチュレートと、減感現像の可能性も合わせてお読みください。 |
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