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本ソフトウェア SILKYPIX® は、デジタルカメラが記録した RAW データを処理して画像を生成するソフトウェアです。この処理を「現像」と呼びます。 RAW データとは、イメージセンサーが捉えた光エネルギー情報をそのまま記録する生データのことで、通常の JPEG ファイルに比べ、ファイルサイズは大きくなりますが、撮影時の情報をより多く蓄えており、撮影後に光エネルギーのレベルで様々な画像処理を撮影後に施すことができるというメリットを備えています。 そのメリットとRAWデータの可能性を極限まで引き出すのが SILKYPIX® の役割であり、SILKYPIX® は、その点を第一目標として開発されました。 本ソフトウェアでは、現像処理の中で、様々なパラメータが調整可能です。
(2) ホワイトバランス調整
あるいは、色温度変換フィルタを使用して撮影したのと同等の結果を現像時のパラメータ調整で行うことができます。
(6) レンズ収差の補正
もちろん RAW データではなく、JPEG で記録してフォトレタッチソフトで処理することも可能ですが、JPEG での記録の場合は、各色のコンポーネントが256段階しかないために、調整により画像品質が低下したり、劣化してしまうという問題があります。 また、JPEG では光のエネルギーとして値を記録しておらず、表示用または印刷用に適するカラースペース(例えば、sRGB)へ色を変換して記録しているため、正確なホワイトバランスの調整は不可能です。 撮影後の画像を高い画像品質を維持したまま調整するためには、撮影時にRAW データで保存する必要があるのです。 本ソフトウェアは、色や画像の調整を撮影時に行った場合とほぼ同等の結果を本ソフトウェアにより現像の際に得られますので、撮影に費やす時間を大幅に短縮し、大切な「一瞬」をカメラに納めるチャンスを広げます。 また、JPEG 撮影では得られないノイズの少ない滑らかな映像を得ることができ、撮影感度の幅を広げます。 また、本ソフトウェアは高度な現像アルゴリズムを採用することで、以下のような特徴を備えています。
RAW データで撮影して、本ソフトウェアで現像することで、カメラが記録する JPEG 映像よりも精緻な映像を得ることができます。
この白い偽輪郭が発生した「デジタルっぽい絵」と比喩される映像は、輝度の分解能に比べ、色の分解能が低いために発生する現象です。 本ソフトウェアでは、高い色分解能を得るために、まったく新しい方式のデモザイクロジックを開発・搭載しました。このロジックにより、繊細で高い色分解能を実現しています。
これは、R,G,B のセンサー素子をベイヤー配列という順序に従って平面状に並べた方式で、1つのセンサーは R,G,B 中の1色だけしか取り出すことができないために、映像のエッジ部や、微細な模様部分に偽色(色付き)が現れます。 本ソフトウェアでは、高度なピクセル値予測ロジックによって、この偽色を高いレベルで抑え込んでいます。 本来、高解像度・高分解能・高色分離性能と低偽色は、その性質上相反します。高い分解能を得れば偽色が増加し、偽色を抑制に注力すれば分解能が低下してしまう事になります。 本ソフトウェアでは、この相反する性質の処理を高度なレベルで両立させ、自然な映像と発色を実現しています。
この暗い映像部分にのった不規則な色ノイズは、とても目障り感じるもので、これを嫌うが故に高感度撮影をあきらめている写真家の方も多いと思います。 本ソフトウェアでは、この色ノイズを低減する機能を持っており、高感度撮影においても驚くほど清潔な映像に現像することが可能です。 これによって、撮影方法や被写体に幅が広がり、新しい作画を可能にします。
例えば、人物撮影において、肌をハイライトに飛ばすまでに現像ゲインを上げると、肌色から白く飛ぶまでのハイライト境界部分が黄色く色相ずれを起こしやすくなります。 本ソフトウエアのハイライトコントローラは、色が飛ぶ領域での色制御を可能とし、ハイライト部分の細かな色づくりが可能です。
太陽(自然光)、蛍光灯、白熱電球、夕焼け、ストロボ光や、それらのミックス光等、多種多様なスペクトル分布の光源に対して、高い精度の色再現を実現しました。 この高い色再現性をベースとして、色を3次元的に置き換える「3次元カラーマッピング方式」を利用することにより、人間の記憶に近い色を再現する「記憶色」や、美しい肌色再現を可能にする「美肌色」、そしてポジフィルム調の色を再現する「フィルム調」と豊富な色モードを搭載し、用途や映像によって使い分けていただけるようになっています。 また、色をファインチューニングする「4.11 ファインカラーコントローラ」により、色づくりをきめ細かく調整することができます。
最近では、 RAW 対応のフォトレタッチソフトも出回ってきていますが、フォトレタッチソフトとの決定的な違いがあります。 これを理解することで、本ソフトウエアの特徴を最大限に生かすことができます。 その違いとは、本ソフトウエアは、常に RAW から全ての画像処理をやり直すという点です。 画像処理のパラメータを変更した場合(例えば、露出や、ホワイトバランスや彩度などを変更した場合)、本ソフトウエアは、常に RAW から画像処理をやり直します。 そして、そのパラメータは、指示として RAW ファイルとは別のファイルに記録されます。 このため、コンピュータに与える負荷は大きくなりますが、その反面、素晴らしいメリットを手に入れることができます。 メリットを以下に列挙します。 (1) RAW ファイルは変更されない
本ソフトウエアの基本設計は、「RAW ファイルをいじらない」ということです。 例えば、フォトレタッチソフトや、デジカメソフトなどで、カメラで記録した JPEG ファイルを処理する場合、原画を上書きしてしまう可能性がありますが、本ソフトウエアでは、RAW ファイルを変更することはありません。(*1)
例えば、明るさを調整してから、カラーバランスを調整するケースでは、まず、明るさを調整した画像が作られ、次にその画像に対してカラーバランスの処理が行われます。 つまり、ひとつひとつ結果が確定されながら調整作業が進んでいきます。 最後になってやっぱり明るさを変えたくなったとしたら、最初からやり直すか、その時点の映像にさらに明るさ調整を施すしか方法がありません。 これは、画質の劣化を伴います。最後にやっぱり、少し暗くしたいとします。しかし、結果が確定されているので、途中の処理で白とびした部分のディティールが蘇ることはありません。 本ソフトウエアは、画像処理を常に RAW から最適な順番で施すため、パラメータが決定されれば、結果は常に同一です。 先にホワイトバランスを調整してから露出を調整しても、その逆の順番で行っても、最終的なパラメータが同一なら結果は同じになります。 つまり、納得の行くまで何度でもパラメータを調整でき、調整作業に集中することができるのです。
明るさを調整してから、カラーバランスするか、はたまたその逆か... シャープネスはいつ施すか、トーンカーブは? 作業用色空間は?レンズ収差補正は? これらを常に最適な順番で行うことは非常に高度な知識を要求されるだけでなく、やり直しはききません。 順番が適切でないと、画像を劣化させることになります。 適切であっても、処理の組み合わせによっては、途中でどうしてもクリップされてしまうピクセルが出てきます。 本ソフトウエアは、内部では真っ白よりも明るいピクセルをも伝達できる高階調パイプライン画像処理をパラメータに応じて適切に組み合わせることで、フォトレタッチソフトで発生するような画質劣化が発生させないように設計されています。 したがって、高度な機能を組み合わせても常に最高画質を手に入れることできます。 しかも、その順番は、自分の好きな順番で行えば良いのです。画像処理の都合で調整の順番が規定されてしまうこともありません。
パラメータを他の用途に使う為に部分的に変更した現像結果を得ることも簡単です。 しかも、現像結果にもパラメータが埋め込まれるため(*2)、後日、その現像結果を得たときのパラメータを現像結果の画像ファイルから取り出すこともできます。 現像結果と、元の RAW さえあれば、いつでも現像結果のパラメータを読み込んで微調整を施すことができるのです。
つまり、パラメータだけを先決めして、どんどんと調整していき、画像処理(現像処理)を後で一括して行うことができるのです。 この性質は、大量に撮影した写真を一気に処理する場合に威力を発揮します。 *2 ... 現像パラメータは、現像結果の Exif 情報メーカーノートタグに書き込まれますので、Exif 情報なしで現像した場合には埋め込まれません。(参考: 現像結果保存設定) ※弊社では早くから、このような「非破壊画像処理」(弊社呼称 OIP技術)を開発し、1999年発売のデジカメソフト「デイジーデジカメフレンド」をはじめとする多くのプロダクトに採用してきました。 本ソフトウエアでは、これをディストーション補正や、デジタルシフトなどの変形を伴う処理にも応用し、完全に一貫した画像処理のなかで実現しています。 回転や変形を伴う画像処理だけは現像後に行わなければならない。といった不便さがなく、露出やホワイトバランスなどの基本調整からレンズ収差補正に至るまで、一貫したスマートなワークフローを実現しています。 |
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