SILKYPIX Developer Studio 8 SE Start Up Guide

4. 画像を調整する(メインコントロール)

4-1. 調整の基本操作

調整作業の流れ

パラメータ・コントロールの1. 「テイスト」と呼ばれるあらかじめ登録されたパラメータのプリセットを選択することで画像の調整を行います。微調整する場合には2.「パラメータアイコン」をクリックするとそれぞれの機能の3.「タブページ」が切り替わります。タブページでは主にスライダーを使ってパラメータを微調整します。

調整作業の例 (ホワイトバランスの場合 )

1. テイストを選択

2. スライダーで微調整

4-2. メインコントロール

パラメータ・コントロール

主にテイスト(メニュー)を選択して画像の基本調整を行います。

名称 概要
1 テイスト・パラメータ テイストの登録と編集、現像パラメータの保存、読み込み、初期化、一時登録をおこなうことができます。
2 露出補正・HDR/覆い焼き 画像の明るさやダイナミックレンジを調整します。
3 ホワイトバランス 画像全体の色合いを調整します。
4 調子 コントラストやガンマなどのトーンや明瞭度を調整します。
5 カラー フォトスタイルの変更や鮮やかさを調整します。
6 シャープ/ノイズリダクション 画像の輪郭の強さの調整やノイズ量を調整します。
7 テイストに登録 設定されているパラメータをテイストとして登録できます。
8 テイスト 登録されているパラメータのプリセットをメニューから実行します。

タブ・ページ

主にスライダーでパラメータの詳細な調整を行います。

名称 概要
1 スライダー 左右に動かすことでパラメータを調整します。
2 エディットボックス パラメータの値を示します。また数値を直接入力したり、左右の「<」「>」ボタンをマウスでクリックして微調整できます。
3 初期値マーク パラメータの初期値を示します。
4 メニューを表示 タブページをフローティングウィンドウにすることができます。

4-3. 画像を調整する (メインコントロール )

露出補正

露出補正では -3.0EV~ +3.0EVの範囲で画像の明るさを調整できます。

1. スライダーによる調整

スライダーを左右に動かし、0.1EVステップの露出補正を行うことができます。

2. 露出微調整

露出補正の数字の左右にある<>ボタンをマウスでクリックし0.01EVステップの露出補正を行うことができます。

3. 自動露出補正

「自動露出補正」ボタンを押すと、画像全体の明るさを評価して自動で露出補正を行います。

HDR/覆い焼き・焼き込み

HDRと覆い焼き・焼き込みは白とびや黒つぶれの多い画像に対して「暗部を明るく(覆い焼き)」、「明部を暗く(焼き込み)」する機能です。

1. HDRと覆い焼き・焼き込みの選択

HDRや覆い焼き・焼き込みを選びます。

HDR 覆い焼き・焼き込み
補正効果 強い 弱い
画像の明るさ(平均輝度) 変化が大きい 変化が少ない
仕上がり 誇張 自然

2. スライダーによる調整

スライダーで補正量を調整します。

HDRの補正例
覆い焼き・焼き込みの補正例

ホワイトバランス

ホワイトバランスは画像全体の色合いを調整する機能です。ホワイトバランスの初期値はカメラの設定が引き継がれます。

1. テイストからの選択

撮影時の光源色に合わせたホワイトバランスをメニューから選択します。

2. スライダーによる調整

「色温度」スライダーでは寒色~暖色系のへ色味を調整します。

「色偏差」スライダーではグリーン~マゼンタへの色味を調整します。

3. グレーバランスツール

画像の中からグレーの部分を指定してホワイトバランスを合わせます。
1. 「グレーバランスツール」のアイコンをクリックするとマウスカーソルがスポイトの形になります。プレビュー画面でグレーにしたい部分にマウスカーソルを合わせ 2.「範囲指定」すると指定した部分がグレーになるようにホワイトバランスがセットされます。

4. 肌色指定ツール

画像の中から肌色を指定して露出とホワイトバランスを合わせます。
1. 「肌色指定ツール」のアイコンをクリックするとマウスカーソルがスポイトの形になります。プレビュー画面で肌色の部分にマウスカーソルを合わせ、範囲指定すると指定した部分がきれいな肌色になるようにホワイトバランスがセットされます。

調子

調子ではコントラストや明瞭度の調整を行います。

1. テイストからの選択

被写体に応じたコントラストを超軟調~超硬調から選ぶことができます。

2. スライダーによる調整

「コントラスト」では明暗差の強弱を調整します。

「コントラスト中心」では明暗差の比率を調整します。

「ガンマ」では「ローキー」や「ハイキー」など中間調の明るさを調整します。

3. 明瞭度

「明瞭度」を強くすると被写体の質感が強調されます。

「明瞭度」を弱くすると被写体の質感が緩和され、柔らかい雰囲気になります

カラー(フォトスタイル)

カラーではフォトスタイルや彩度の調整を行います。

1. フォトスタイルの選択

初期設定では、カメラで設定されたフォトスタイルが適用されます。RAWモードで撮影した場合には、カメラで設定できるフォトスタイルの種類を変更することができます。

スタンダード

ヴィヴィッド

ナチュラル

モノクローム

L.モノクローム

風景

人物

シネライクD

シネライクV

2. 彩度スライダーによる鮮やかさの調整

「彩度」では画像の鮮やかさを調整することができます。

シャープ

シャープは画像の輪郭の鮮明さやディティールの調整を行う機能です。初期値は ISO感度によって変わります。

1. テイストからの選択

シャープのテイストはノイズリダクションと共通です。これはシャープとノイズ量はトレードオフ(一方を操作するともう一方 にも影響する)の関係にあるためです。

2. シャープの種類

4種類のシャープを選択することができます。初期値は「ナチュラルシャープ」です。本ガイドではナチュラルシャープについて解説します。

特徴
ナチュラルシャープ ピント面に対して効果が大きく、アウトフォーカス部分への副作用が少ないシャープネスです。
ノーマルシャープ 一般的なシャープネスです。
ピュアディテール 精細部をつぶすことがなく強いシャープをかけることができます。
アンシャープマスク シャープネスを適用する輪郭の幅を指定することができます。

3. シャープの副作用

シャープを極端に強くすると輪郭が縁取られたりノイズも強調されます。

シャープ弱の例

シャープ強の例

4. スライダーによる調整 (ナチュラルシャープ )

「輪郭強調」では被写体の輪郭の鮮明さを調整します。

「偽輪郭抑制」ではシャープの副作用による輪郭の縁取りを緩和します。

「ぼけ味保護」ではシャープの副作用によるアウトフォーカス部分のノイズを緩和し、グラデーションのつながりを改善します。

ノイズリダクション

ノイズリダクションは高 ISO感度時のノイズを緩和させる機能です。初期値は ISO感度によって変わります。

1. テイストからの選択

ノイズリダクションのテイストはシャープと共通です。これはシャープとノイズ量はトレードオフ(一方を操作するともう一方にも影響する)の関係にあるためです。

2. ノイズの種類を知る

緩和できる主なノイズは以下の 2種類です。

1 色ノイズ (偽色) 高 ISO感度撮影時に現れる赤、青、緑のノイズは「偽色抑制」で緩和します。
2 輝度ノイズ 偽色抑制で色ノイズを緩和した後の粒状感は「ノイズ除去」で緩和します。

ノイズリダクションには以下のパラメータがあります。

  • 偽色抑制
  • フリンジ除去
  • ノイズ整列
  • ノイズ除去

3. 偽色抑制 (色ノイズを緩和する )

「偽色抑制」では高 ISO感度時に発生する色ノイズを緩和することができます。色ノイズを緩和した後には輝度ノイズが残留します。

4. フリンジ除去

「フリンジ除去」では、明るい部分の輪郭に発生する紫などの色の滲みを緩和することができます。

5. ノイズ整列

「ノイズ整列」はランダムに発生した輝度ノイズのパターンを整列させることができます。

6. ノイズ除去 (輝度ノイズを緩和する )

「ノイズ除去」では偽色を緩和した後に残る「輝度ノイズ」と呼ばれる粒状感を緩和することができます。ノイズ除去を強く設定しすぎると画像の鮮明さが弱くなります。